金属加工油・潤滑油
事例1
- ユーザー
- 建材製造
- 用途
- プレス板材塗油
- 使用機種
- ST-6-1.0X
課題
この建材メーカーでは幅180ミリ、厚さ2ミリの溶融亜鉛メッキ鋼板をプレス成形し、建築用金具を製造しています。
従来は、ローラー型給油機により塗油していました。しかし、ローラー型は液量の微調節がききません。
油不足を恐れる作業者は、つい液量を多めに設定しがちでした。
成型後、脱脂を行わず納品するため、顧客から「油でヌメヌメする」とクレームが発生していました。
ルミナの提案と成果
加工油塗油で標準的なST-6-1.0Xを提案。
板材の端から端まできっちり油を付けたいため、上下2台ずつ、合計4台を取り付けました。
- (吹き付け条件)
-
- 霧化エア圧力 0.07MPa
- 液圧 0.08MPa
- 吹付距離 130mm
その結果、油を適量塗油できるようになり、ワークへの油の付きすぎが解消されました。
また油の使用量が20〜30%減り、年間のランニングコストが大幅に削減されました。
事例2
- ユーザー
- デジカメ部品製造
- 用途
- プレス板材塗油
- 使用機種
- ST-6-0.5X、ST-6R-1.0X-C8-1.1-150L-90-H
課題
このメーカーでは、小型の45トンプレス機で幅20〜40mmの薄板をプレス成型しています。
銅の薄板のため、従来は油なしで成型していました。
今回からステンレス鋼の加工も行うことになり、油を塗油する必要が出てきました。
ルミナの提案と成果
プレス機にスプレーガンを取り付ける場合、
当然ながら、スライドの上下や作業者の動きの邪魔にならない位置にする必要があります。
また周囲には多くの器具が置かれているため、十分なスペースを取れないことは少なくありません。
そんな時に有効なのが、小型ヘッドが付いたロングノズルです。
今回、上側は十分なスペースがあるため、加工油塗油で標準的なST-6-0.5Xを採用。
下側はスペースが狭いため、90度スプレーのロングノズルガン、ST-6R-1.0X-C8-1.1-150L-90-Hを採用しました。
- (吹き付け条件)
-
- 霧化エア圧力 0.02MPa
- 液圧 0.02MPa
- 吹付距離 40mm
油が低粘度で飛散しやすいため、霧化エア圧力を0.02MPaと低く設定しました。
その結果、周囲を汚さずに、板材に油を塗布することができました。
事例3
- ユーザー
- OA機器シャーシ製造
- 用途
- プレス成型
- 使用機種
- PR-40-2.0X
課題
このメーカーでは、OA機器に使われるシャーシ(500mm x 450mm)をプレス成型にて製造しています。
プレス加工油(動粘度15cst、40℃時)を、これだけの幅に広げて塗布することが課題でした。
ルミナの提案と成果
設置スペースに限りがあることから、1台でも広角に広げられるPR-40-2.0Xを提案。
加工点まで搬送されてきた板材に対し、プレス機の手前と奥の2箇所から、水平方向に加工油を吹き付ける方法を採りました。
- (吹き付け条件)
-
- 霧化エア圧力 0.05MPa
- パターンエア圧力 0.1MPa程度
- 吹付距離 300mm
- 液の供給 圧送タンク
その結果、従来油不足によって生じていたワーク(対象物)の傷が減り、歩留まりが向上。生産性を上げることに成功しました。
事例4
- ユーザー
- 建材製造
- 用途
- 針ノズルによる狭い箇所への給油
- 使用機種
- HM-6LX特殊
課題
この建材メーカーでは、150トンプレス機で建築金具を成型しています。
プレス金型には、特殊なタップユニットが組み込まれていて、プレス加工と同時にタップ加工(ネジ立て)を行えるようになっています。
ただ、加工時の熱でタップがダメになりやすく、タップの潤滑と冷却を行える方法を探していました。
ルミナの提案と成果
タップユニットはプレス金型内に組み込まれています。
タップが外部に露出するのは加工時の一瞬しかないため、油の塗布が非常に難しい案件でした。
そこで、外径2ミリ、長さ200ミリの針ノズルが付いたHM-6LX特殊(標準品の針ノズルは100ミリ)を採用。
金型に切り欠きを設け、このすきまに針ノズルを通すことで、
プレス金型内にあるタップに直接加工油をスプレーできるようにしました。
- (吹き付け条件)
-
- 霧化エア圧力 0.2MPa
- 液圧 0.08MPa
- 吹付距離 30mm
今回はタップの潤滑だけでなく、冷却も同時に行いたかったため、
霧化エア圧力を高めに設定。スプレーの勢いが強い分、冷却力が上がります。
冷たいミストをタップに吹き付けることで、タップの軟化・変形が抑えられ、寿命を40%伸ばすことができました。
事例5
- ユーザー
- 塗装工場
- 用途
- チェーン給油
- 使用機種
- マジックカット EM2-AT-Z60A(丸型マグネット仕様)
課題
この塗装工場では、搬送用設備としてチェーンコンベアを使用しています。
従来は作業者が手動でチェーン給油を行なっていましたが、給油のし忘れで油切れを起こすことが多く、
チェーンの寿命が短いことが問題視されていました。
ルミナの提案と成果
今回は、蛇腹ロングノズルが付いたマジックカット(丸型マグネット仕様)を採用。
本来は、切削加工時に刃先を冷却する器具ですが、エアキャップをオプション品の先端カットエアノズルに変えることで、
今回のように潤滑目的にも使うことができます。
スプレーのオンオフ制御にはカム式空気弁を採用。
ローラーレバーがチェーンの突起部に接触するとスプレーが出る仕組みです。
潤滑油が飛散しないよう、霧化エアは絞り気味に設定しました。
ノズル1本では油量が十分ではないため、ノズル2本の2軸仕様を採用しました。
- (吹き付け条件)
-
- 霧化エア圧力 0.05MPa
- 液圧 0.05MPa
- 吹付距離 50mm
チェーン給油を適切に行えるようになった結果、チェーンの寿命が延び、設備の更新費用が削減されました。
また作業者も給油の仕事から解放され、本来の業務に集中できるようになりました。