ルミナ自動スプレーガンは正しく接続し、エア圧力等を適切に設定すれば、生産効率改善や液体の使用量削減をもたらします。このページでは、はじめに知っておいていただきたい基本情報を「必要なもの」「接続方法」「基本構造」「基本操作」の4項目にまとめました。
必要なもの
- 自動スプレーガン
- エアコンプレッサー
- コントロールボックス・3ポート電磁弁・空気弁
- 容器、タンク
- エアレギュレータ
- 固定器具
- ホース
- 継手
自動スプレーガンは圧縮空気により液体を霧化します。そのため、使用にはまずエアコンプレッサーが必要です。製品カタログにスプレーガン1台あたりのエア使用量が記載されていますので、必要なエア量、エア圧力(スプレーガンのオン・オフに0.3〜0.5MPa程度の圧力が必要です)が確保できることを確認してください。
次に重要なのがオン・オフを制御するコントロールボックスや電磁弁、空気弁です。入力信号を使って自動制御する場合、コントロールボックスや電磁弁を使います。手動で制御する場合は空気弁(ハンドバルブ、足踏式空気弁など)を使います。コントロールボックスは、電磁弁とタイマーを内蔵し、スプレーガンの制御を簡単に行えるようにした装置です(製品情報の「周辺機器」をご参照ください)。電磁弁を使う場合は、かならず3ポートタイプをご使用ください。そのほか、エア圧力を調整するレギュレータ、固定器具、ホースなどもご用意ください。
接続方法
ここでは、エア配管2本タイプのST-6Xの接続方法を説明します。ST-6Xには液用の入口が1箇所、エア用の入口が2箇所あります。いずれもRp1/8のメネジです。エア用入口のうち、ピストン作動エア(CYLの刻印が打ってあります)には0.3MPa以上の強いエアを入れます(エアが入ると液が出ます)。もう1つの霧化エアはエア圧力を調整できるよう、手前にエアレギュレータを介します。
油の塗布などに使う場合、ピストン作動エアと霧化エアを出すタイミングは同時で構わないため、コントロールボックスや電磁弁はエア配管を分岐させる前の根元に1台で十分です。圧送タンクを使用する場合は、タンクにもエアを供給する必要があります。タンクは常に液圧のかかった状態にしますので、電磁弁を介さずに直接コンプレッサーにつなぎます。以上のように配管すると、図の状態になります。これでセッティングは完了です。2台以上のスプレーガンを使う場合は、3つの入口につなぐ直前で、それぞれのホースを分岐させて接続してください。
塗装やコーティングに使う場合は注意が必要です。ピストン作動エアと霧化エアのタイミングを同時にすると、エアを出し止めしたときに十分に霧化されていない粗い粒子(スピット)が出て、塗装面を汚すことがあります。これを防ぐには、2つのエアにわずかな時間差を設け、霧化エアが出てからピストン作動エアが出るように、またピストン作動エアが止まってから霧化エアが止まるように設定します。そのため、2つのエア配管それぞれに電磁弁が必要になります。
基本構造
上述のように、自動スプレーガンは0.3MPa以上のピストン作動エアを入れたときに液が出ます。これをスプレーガンの内部構造から説明すると、図のようになります。左がピストン停止時。液ノズルの先端をバルブ(ピストンセット)がふさいでいるため、液は漏れません。0.3MPa以上のピストン作動エアを入れた状態が右の図です。赤色で示したエアの圧力によってバルブ(ピストンセット)が後ろに引き、液通路が開放されて液が出ます。液が緑で示した霧化エアと混ざり、霧になります。
基本操作
- スプレーガン本体の液量調節器を開きます。はじめの1回転程度は液が出ない構造になっていますので、1.5回転程度開けてください。
-
- (重力式容器の場合) スプレーガンを小刻みにオン・オフさせながら、スプレーガン本体に液を供給させます。
- (圧送タンクの場合) タンクにコンプレッサーエアを入れます。レギュレータを開き液圧を一定程度(0.02〜0.1MPa程度。粘度による)上げた後、スプレーガンを小刻みにオン・オフさせながら、液を引き出します。本体まで液が供給されない場合は、徐々に液圧を上げてください。
- 霧化エア用のレギュレータが閉まっていることを確認し、ピストン作動エアを入れます。バルブが開き液が出てきますので、霧化エアのエア圧力を徐々に上げてミストを作ります。
- ミストの状態は、液量と霧化エアの圧力によって決まります。飛び散らないミストを作りたい場合、霧化エア圧を極力下げ、粒径を粗くします(画像左)。塗装やコーティングなどで均一にきれいに仕上げたい場合、霧化エア圧を上げ、粒径を細かくします(画像右)。(操作方法については、以下の動画でも紹介しています)
この動画では、ルミナ自動スプレーガン「ST-6」とコントロールボックス「AC-9」および、圧送タンクの取り付け方法を紹介しています。動画後半では、飛散しないミストの作り方もご説明します。